フィレンツェ名物

まだアメリカ出張中。今週、当地は随分と寒い。シリコンヴァレー周辺も朝方は3〜4℃。昼は15℃くらいになるけど、東京より寒いですね。サンフランシスコ湾の北側にあるナパ/ソノマ方面は0℃近くまで下がって、霜が下りているらしい。

それとは全く関係ないけど、先週イタリアンを食べに行く機会があった。品川駅の港南口のビル群の中にある「アロマクラシコ」という店。オフィス・コンプレックスの中にあるせいか、そんなに雰囲気がある訳では無いけれど、逆に過剰な装飾も無く機能的な感じで6人くらいで使える個室も2つあるので、ビジネスには使いやすいだろう。サービスも悪くない。

メニューは前菜/パスタ/主菜を、魚介系/肉系/ベジタリアンのグループから選ぶ仕組み。僕は、前菜にトリュフはあしらったオムレツ、牡蠣のパスタ(タリアッテレだったかな?)、主菜は店の名物だというビステッカをいただいた。オムレツは僕にはチーズが効きすぎていた様で、もう少しあっさりした前菜が良かったかも知れない。牡蠣のパスタは普通においしかった。で、注目すべきはやはり「ビステッカ」。

ビステッカというのはイタリア語でビーフステーキの事らしいけど、フィレンツェの名物「ビステッカ・アラ・フィオレンティーナ」が有名。アメリカで言えばTボーンステーキあたりになるらしいけど、味付けは主に塩胡椒だけの野趣溢れるスタイルが基本らしい。フィレンツェでは地元のギアナ牛を使った物が有名だが、これは僕もフィレンツェでうまいのに巡り会えて未だに覚えている。

この店のは見かけはとても洗練されていて、僕の知っているビステッカの面影は全く無いのだけれど、味付けは塩だけらしくシンプルにいける。ブロックのまま炭火で焼いて、中は赤いまま切り分けてサーブされて来て見た目はレアに見えるけれど、キチンと火が通っていて、回りの香ばしさ加減とのコントラストが楽し い。緑色のソース(レシピを聞きそびれたが、コリアンダーと松の実をすり潰した様な感じ)と粗挽きの胡椒が添えてあったけど、何も付けずにそのままがおいしい。さすがに看板メニューだけの事はあると納得。欲を言えば、小さめのフィレステーキくらいのボリュームだったので、もう少し食べたいくらいだった。

フィレンツェでもうひとつ思い出すのは、ピチというパスタ。太さは讃岐うどんという感じで、やはりそこそこコシがあって、アマトリチャーナやラグーといったソースであえたのがおいしかった。2年前のイタリア旅行はアメリカから行ったが、戻っても探し回ったがそれらしいパスタに巡り会えなかった。強いて言えば、ブカトーニが近い感じがしたけれど、ピチはもっとモチモチ感があった気がする。日本はさすがにグルメ大国で、ネットで調べたら東京にもピチを出す店が何軒かあるらしいので近いうちに試してみたい。