映画「アラビアのロレンス」

中東づいている訳だけれど。

断片的にしか知らなかった映画「アラビアのロレンス」を初めてまともに観た。1963年の公開。デイヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演位の事は知っていたけれど、考えていた以上にロレンスはエキセントリックな男に描かれていましたねぇ。そういう役だからこそピーター・オトゥールに似つかわしいのだろうけれど、若い頃の彼はちょっと痛すぎる感じがする。むしろ脇を固める俳優が抜群に面白い。ベドウィンの首長たちを演じるオマー・シャリフアンソニー・クイン。ホモっ気ムンムンのトルコ軍司令官役のホセ・フェラー。それに、アラブの王子役のアレック・ギネスが面白い。風貌も意外なほどそれらしいけれど、何より王族のしたたかさが滲み出ていていい。「カサブランカ」でハンフリー・ボガートとラストシーンを飾るクロード・レインズがこの映画に出ている事は初めて知った。ここでも一癖ある外交官役を演じて、最晩年の姿を見せていた。

この頃の映像はCGなんて無かった訳だけれど、砂漠の上で揺らめく陽炎の中から徐々に現れるオマー・シャリフの登場シーンなんてイマジネーションに溢れて幻想的。いわゆる「グラフィクス」じゃない、映像そのものの面白さってあるね。