ロストロポーヴィチの指

ロストロポーヴィチの独奏で、ドボルジャークのチェロ協奏曲のDVDを観た。

オケはジュリーニ指揮によるロンドンフィル。 1977年の録画だ。 ロストロポーヴィチのドボルジャークの協奏曲はこれを含めて4枚持っていることになる。ターリヒ/チェコフィルカラヤン/ベルリンフィル、小澤/ボストン響とこのジュリーニ/ロンドンフィル。チェロの独奏で言えば、多分ターリヒ/チェコフィル盤が一番好きだ。1952年の録音だから25歳の時の録音になるが、若者の勢いというより、伸びやかな演奏が心地良い。

それでも、DVDはやはり映像が観られるのが面白い。ジュリーニの指揮振りは生で見たことはないが、映像で見る限りは思いの外生硬い感じがする。収穫は、ロストロポーヴィチの指。長くてきれいな指をしている。バイオリニストのパールマンオイストラフの映像を見ると、よくもあんな太い指でキチンと音程を取って早く回せるものだと関心するが、それに比べたらロストロポーヴィチの指は長くてしなやかで、指板の上で滑る、あるいはヴィブラートをかける動きが美しい。チェリストであると共に優れたピアニストでもある聞けば、思わずうなづける。