Tony Bennett: Music never ends

夕べは夜の11時から短い電話会議が有って、その後にまた短いメールを書いたら、もう12時を回っていた。大した仕事じゃないから、と多寡を括っていたが、やはり直ぐには寝付けない。気まぐれにテレビのチャネルをいじっていたら、BSでトニー・ベネットのドキュメンタリー番組をやっていた。
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1926年生れというから、今年83歳。番組は2007年の製作らしいが、それでも80歳を越えたトニーは若々しい。クリント・イーストウッドによるカジュアルなインタビューをメインにして、他の仲間や関係者の話、昔からの映像を織り交ぜながらトニー・ベネットの生い立ちを綴るという構成。歌う時のトニー・ベネットは堂々として自信に溢れているけれど、喋る時の彼はどちらかと言えばシャイにさえ感じる。

僕は「アメリカン・スタンダードソング」が好きだ。だから、クロスビー、アステア、シナトラ、エラ・フィッツジェラルドなんて、僕にはアイドルだ。逆に、そういう人々がまず思い浮かぶので、今でも現役のトニー・ベネット辺りはむしろ「新しい人」というイメージだった。けれど、Because of You とか Blue Velvet はトニー・ベネットの曲なんだから、紛れもなく煌く星々のひとつに違いない。それにあの I left my heart in San Francisco がある。(やはり合計8年余りも近くに住んでいたので、懐かしいですね。)

ことのついでに、トニー・ベネットの経歴をWikipedia(米国版)で当ってみた。1949年にデビューしてからすぐにヒット曲が出て、1962年の --- San Francisco のヒットでピークを迎えるけれど、ポピュラー歌手として脂の乗る40〜50歳代がちょうど60〜70年代のロック全盛にぶつかり急速に落ち目になる。その間は浪費に溺れて破産したり、コカイン中毒にさえなって地獄を見る。それが60歳台も後半を迎える80年代半ばからカムバックして来て80歳代の今に至るも第一線で歌い続けているという。今の歌を聴いても、成熟は感じるけれど、老いは感じさせない。これは本当にすごいことだと思う。

after all these years という言い回しがある。「いろいろあったけれど」とでも訳せるのかな。嫌なことも苦労したことも、最後にはサラッと言えてしまうといいね。

夕べは番組の途中からだったから、再放送はしっかり頭から見よう。

Jazz File #35 (WOWOW)
Tony Bennett: Music never ends
4/7(火)午前5:00