オペラ#4 「トゥーランドット」 (ハンガリー国立歌劇場)

前の晩の「椿姫」は、3階の舞台に向かって左手中央よりのボックス席だったが、今日はほぼ対象にある右手中央よりのボックス席最前列。但し1階なので舞台がかなり近い。
◆本日の席とそこからの眺め

◆幕間に浮び上がる中華マーク チョッと笑ってしまうのは日本人ゆえ?

この演目はアリアの他に、群集役のコーラスが多用されるけれど、コーラスとオケの全奏が重なるところは、ちょっと背筋がゾクッとする。それに前の晩の「椿姫」も同様、主役級の2〜3人こそ国際的に活躍する歌手を招聘しているけれど、他の歌手及びコーラスはオペラハウスの専属を充てている訳で、その水準はかなり高い様に思える。(勿論、オケも含めて) 器もさることながら、やはり水準の高いオペラカンパニーなのじゃないか? 

器と言えば、豪華なホールの内装が舞台への証明の照り返しを受けて浮かび上がり、これがとても美しい。1階の席なので、見上げるとそれが目に入る。ある意味では演目自身に対しては余計なモノかも知れないが、かつて知り合いが言っていた言葉を思い出す。「いくら一流のオペラカンパニーが引越し公演をして来ても、オペラハウスまでは引っ越せない」 響きを含めて、そうだよなぁ、とひとりごちする。

主役級ではカラフ役のマルチェロ・ジョルダーニが素晴らしかった。スカラ座でも同じ役を歌っているし、メトでも活躍している人ということで納得。出ずっぱりという意味では、トゥーランドットよりこの役の方が主役というべきかも知れない。(「誰も寝てはならぬ」のアリアもあるしね) ドラマティックなテノールが良いとやはり締まる。

またリウ役のソプラノLetay Kiss Gabriella(ルテイ・キス・ガブリエラと読むのだろうか?)や、道化役も兼ねる「ピン・ポン・パン」役の3人も良かったが、この人たちはオペラハウスの専属。実力あるなぁ、という感じ。

舞台のセットはそこそこにオーソドックスな中国風のしつらえだと思うが、それでもチョッと気になるのは舞台の前面に並べられた棒とその上に据えられた首状のオブジェ。トゥーランドットに求愛して適わなかった男たちの生首を模したものらしいが、チョッと視覚的に邪魔な様に思えた。

それにしても迂闊な事に、生の舞台を目にして初めて気付いたのだが、タイトルロールのトゥーランドットが最初の幕(第1幕)では姿は見せるけれど歌わない。珍しいといえば珍しい作品だ。(まぁ、僕が知らなかっただけですが)

【追記】
指揮者のピエール・ジョルジョ・モランディは、この後ウィーンで「トスカ」(5/9)も振った人。

Tuesday, 5 May 2009
Hungarian State Opera House
Turandot
Opera in three Acts
Composer: Giacomo Puccini
Librettist: Giuseppe Adami, Roberto Simoni, Franco Alfano
Director: Kovalik Balazs
Set Designer: Szendrenyi Eva
Costume Designer: Janoskuti Marta
Leader of Children's Choir: Gupcso Gyongyver
Choir Master: Szabo Sipos Mate
Conductor: Pier Giorgio Morandi
Turandot: Sylvie Valayre
Altoum: Roka Istvan
Timur: Szvetek Laszlo
Az ismeretlen herceg (Kalaf): Marcello Giordani
Liu: Letay Kiss Gabriella
Ping: Kalman Peter
Pang: Beothy-Kiss Laszlo
Pong: Derecskei Zsolt
Un Mandarino: Palerdi Andras

◆カーテンコール