ウィーン・カフェ巡り

そんな1日の過ごし方なので、カフェはかなり貴重なポイント。いろいろ巡りたいと思ったけれど、ホテルやオペラハウス/演奏会場の近所とか、結局気に入ると繰り返しいったりして、別に「穴場」など見つかりはしなかったけれど。

今回ひとりで旅してみると、カフェは便利だ。コーヒー・ショップとしては勿論、三食とも摂れる。食事を摂るところとしても味も雰囲気も悪くないところが多い。


■カフェ・ザッハー (Cafe Sacher)
あれはウィーンに着いて2日目の朝。例のエアコン騒動が響いて、風邪が振り返して来た感じ。喉が痛いと言うほどではないが、咳が出る。でも熱は無い様なので、朝から外に出た。

どうもホテルの朝食は気が乗らないので、どこかのカフェにしようということで...

結局、ザッハーホテルのカフェに行く。シュターツオパーの真裏にあるあの「ザッハトルテ」の御本家。「昼間はなかなか入れないよなぁ」とただそれだけの理由だけど。

観光客と見られたのか、直ぐに外側のサンルームの様な席に案内される。どっちでも良かったので案内されるままに。カフェメニューはテーブルにあったが「朝食メニューがいいか?」と聞かれたので、うなづくと別のメニューが出て来た。迷ったが結局大きい方の朝食セットにする。

中身はポットのコーヒー、パンのバスケットに(勿論ゼンメルが入っている)、半熟のゆで卵(ここまでがいわゆる「ウィーン風朝食」のミニマム・セット)、それにハム・ソーセージ・チーズを盛り合せた皿が付く。ポットのコーヒーには同じくらい大きいピッチャーに入ったミルクが付いている。自分でカフェオレに出来る訳。なかなかに嬉しい。高級ホテルのカフェなので、パンが美味しい。特にゼンメルは表面のパリパリ感と中のシットリ感のコントラストが絶妙。

さて半熟のゆで卵。卵の真ん中辺りに十字の印がついている。そこを目掛けて殻を割れということかと、ナイフの背で叩いたら確かに水平にひびが入って上手く殻が剥ける。何しろ大変に正しい半熟卵なので下半分殻を残してスプーンですくわないと綺麗に食べられない。

最後にケーキまで付いて来たが、さすがにこれは一口だけ。まずくはないが、そんなに美味しいものじゃなかった。
◆「カフェ・ザッハー」のサンルーム    朝食セット(大):チーズとハムの皿が付く
 
◆謎の十字模様  勿論中身は「正しい半熟卵」
 
◆ケーキは一口だけ

ケーキと言えば、朝食ではなく、例のザッハトルテを注文している人たちも何人かいた。9時前なので(店は8時から開いている)、今日作ったという訳ではないだろうが、元々日持ちのするケーキだし、作りたてが美味しいという訳ではないだろうから、味は問題無いだろう。昼間は込み合って席待ちの人が並ぶくらいだから、ゆっくり味わいたければ朝一番のザッハトルテも確かに有りか。

結局ここには、別の日の夜演奏会の後にもう一度訪れて、パスタに白ワイン1杯、ザッハトルテにコーヒーという夕食を摂った。

Café Sacher Wien
Philharmonikerstrasse 4, A-1010 Vienna
Tel.: +43 (0)1 - 51 456 0
http://www.sacher.com/en-cafe-vienna.htm


■カフェ・シュバルツェンベルク (Cafe Shwarzenberg)
ムジークフェラインからも程近く、リンク通りの曲がり角にある。城壁が取り払われてリンク通りが出来てすぐに出来たカフェだという。(1861年) 隣にレンタカー会社(Hertz)のオフィスがあって、ちょうどこのカフェの真上に大きな看板を掲げているのですぐ判る。(ちょいと、これは無粋だけれど)

内部は改装はしているが、当時のままの雰囲気だという。 朝7時から夜12時まで開いているので、朝食を2度、ムジークフェラインの演奏会の前後にも2度行って、コーヒーを飲んだり、ワインを飲んだりしてゆっくりするのにとても良かった。

ここの朝食セットのブレッド・バスケットには、ゼンメル(丸パン)の他にキプフェル(三日月パン)も付いていた。結局まともにキプフェルを見かけたのはここだけ。ゼンメルと同様、オーストリアの伝統的なパンだと思うけれど、今はフランス風のクロワッサンに押されている様子。(一説にはハプスブルク家からフランスのブルボン家に輿入れたマリー・アントワネットの料理人が伝えたキプフェルがフランスでクロワッサンに変わっていったという説もあるそうだ) 因みにこのカフェの英語のメニューをみたら、キプフェルは普通の「クロワッサン」、フランス風のは「バター・クロワッサン」になっていた。

Café Schwarzenberg
Kaerntner Ring 17
1010 Wien
Tel.: +43 (1) 512 89 98
http://www.cafe-schwarzenberg.at/en/.html

◆入口と内部
 
◆バスケットにゼンメルとキプフェル    ここも正しい半熟状態