ブダペストの地下鉄

旅行から戻ってもうすぐ2週間経つけれど、あともう少しね。

ブダペストの「観光」も随分手抜きだったけれど、前から気になっていた「世界で2番目に古い」という地下鉄には乗ることが出来た。まぁ、ホテルからオペラに行くのに自然に使った訳だけれど。

ブダペストには現在3路線走っていて、1号線がその「世界で2番目に古い(ロンドンに次ぐ)」という線で1896年に開業。2号線と3号線はそれぞれ1970年と76年の開業というから、大分間が開いている。このうち今回乗ったのは、1号線と3号線。ホテルの最寄り駅が3号線にあって、オペラハウスの最寄り駅(その名も「オペラ」)が1号線にある。

開業時期が大きく離れているせいもあってか、二つの線は随分と趣きが違う。

1号線は、いわゆる「開削工法」で地表から掘っている事もあって、相当に浅いところを走っている。ニューヨークの古い線もそうだが、路面から階段をひとつ下りるともうプラットホームと同じレベルで、改札も無い。プラットホームもごく短い。後から改修したらしいが、白と茶色のタイルがきれいに張られていて、ポスターの展示ケースやドアが木枠だったり駅名のプレートもレトロでかわいい。1号線の走る「アンドラーシ通り」というブダペスト随一の目抜き通りは地下鉄部分と併せて世界遺産に登録されているという事で納得。
◆1号線:入口(ヴルシュマルティ広場駅)    降りれば、すぐにプラットホーム
 
◆1号線:プラットホーム
 

車両は確か2両しかなかった。3路線はそれぞれ車両カラーが決まっていて、1号線は黄色。(2号線は赤、3号線は青) 外観はちょっとごつくて、鉱夫を運ぶ鉱山列車の様な感じ。中(断面)は意外に広い。日本の古い路線(銀座線など)の車両はもっと断面が狭かった筈だ。
◆1号線:鉱山列車の様な車両   内部
 

3号線はそれと比べると随分近代的だが、そこかしこに冷戦時代の面影を感じて印象は暗い。プラットホームまでは長く真っ直ぐなエスカレータに乗る。これが大分速い。ウィーンの地下鉄のエスカレータも日本に比べれば速いと思うが、ブダペストの地下鉄のエスカレータはそれよりまだ速い。老人や子供には相当危険だと思うが。因みに長いエスカレータなので壁面にポスターが幾つもあるが、これが垂直ではなくエスカレートの走行面に対して直角に貼られている。ハンガリー語は判らないのでそんなに見はしなかったが、これは結構気持ち悪いだろうなと思う。基本的に斜めに貼られたポスターを見るわけだから。
◆3号線:プラットホームへのエスカレータ:長い! 速い!
 

さて、エスカレータを降りるといきなりだだっ広いプラットホームがある。地下鉄のプラットホームとしては理不尽に広い。明らかに別の目的(おそらくは核シェルターか防空壕)に作られたものだと思われる。そうであれば、エスカレータがあれほど高速なのも合点が行く。万一の時には更に早まるのだろう。
◆3号線:異様に広いプラットホーム  到着までカウントダウンする時計(但し15秒単位)
 

列車も1号線に比べれば遥かに長い編成。きちんとは数えなかったが多分8〜10両はあっただろう。車両はソ連製だというが、おそらく開業以来使っているのではないか。車両は無骨で青い塗装に随分年期が入っている。社内はやはり広めな感じ。暗い感じは否めない。
◆3号線:ソ連製のゴツイ車両    内部
 

3号線も1号線同様改札がなかったが、臨時の検札員がエスカレータの入口で頻繁にチェックしていた。その前の切符販売機に人だかりがしていたので、普段は無賃乗車の輩が多いのかも。多分改札が設けられたり、ロンドンの地下鉄の様に電子カード化する日も近いかも知れない。