映画「マザーウォーター」

この週末にようやく観て来た。この2週間ほど風邪を引いて、しつこい咳に悩まされていたが、もうそろそろ大丈夫だろうと映画館に行った。場所は、お気に入りの「シネスイッチ銀座」。もう公開されてから3週間も経とうかというのに、席は7割方埋まっているから大したものだ。咳の方は静寂のプレッシャーもあってか、相当にゴホゴホやって周りにご迷惑を掛けた。

さて映画の話。

かもめ食堂」以来4作めになるけれど、益々アンビエン卜(環境)な映画になっている感じ。京都に長期口ケをしたと言うが、いわゆる京都らしい名所を出す訳でも無く「どこかの町に居合わせた人々の日常」を淡々と描く。(下のポスターにある様なシーンなんてありません。)アンビエン卜ムービ一らしく、いつのまにかその雰囲気に引き込まれてしまうが、思い返して見たら「かもめ食堂」以来、4作品ともスタジオ収録らしいシーンは無く、オールロケらしい。雰囲気が緩いなりに統一されているのはきっとそのせいだ。

さて作品の出来。あんまり出来の良し悪しにこだわりたくはないが、小林聡美小泉今日子の2トップが上手くいっていたかというと、少々疑問。やっぱりキョンキョンが出ている分、我らが聡美ちゃんが少し引っ込んでしまった感じ。正直に言ってあまりバランスが良くない。やはり小林聡美が居て、もたいまさこが居て、もう一人の三角形でバランスが取れるという感じがする。その場合、キョンキョンより市川実日子の方が収まりが良い様に思うのだ。(そうです。最近は市川実日子のファンでもあります。)

やはりこのシリーズは、小林聡美がアンカーパーソンで居て欲しいのだが、どうもキョンキョンのキャラクターとポジションを分け合っている様なところがあって落ち着かない。それだけキョンキョンの存在感が大きいということでもあるけれど。

それにしても出て来る食べ物(ウイスキー、コ一ヒー、豆腐、サンドイッチ、そら豆のかき揚げなど)は、皆食べたくなる。

エンディングの曲は、我が歌姫大貫妙子の作品。エンディング・タイトルに映される撮影の合間のスナップ写真のバックで流れるのはお決まりのパターン。でも、これも「めがね」の時の方が印象深い曲だったかな。

いずれにしても、出来の良し悪しを言うのは止しましょう。

「マザーウォーター」
監督:松本佳奈
脚本:白木朋子、たかのいちこ
出演:小林聡美小泉今日子加瀬亮市川実日子永山絢斗、光石研、もたいまさこ、田熊直太郎、伽奈
製作:パセリ商会
製作年:2010年
公開:2010年10月30日
配給:スールキートス