2022 春:ヨハン・シュトラウス「こうもり」(Wiener Volksoper)

実は、フォルクスオパーでの「こうもり」は2回目。前回は2010年9月。この時は、時差ボケに負けて第3幕で寝落ちてしてしまって、勿体無いことをした。今回は大丈夫。

主演級の3人はオーストリア生まれ。特にソプラノの2人はウィーン生まれなので、それだけで本場物に触れた様な気になるのだが、他にも地元出身や座付きのキャストは多くて、フォルクスオパーのオペレッタはいつも一座感があって楽しい。(とは言ってもドイツ語はよく分かっていないので、まさに「感じ」止まりの感想だが)話がそれるが、小間使いのアデーレ役のソプラノの立ち居振る舞いと声が、私には女優の濱田マリに似ている様に思えてしまって、ひとりニヤニヤしていた。プロフィール写真を見ると全く違うのだけれど。

有名な序曲が始まるとワクワクしてくる。観光客の欲かも知れないが、もっと拍子を揺らして、もう少しけれん味を加えて貰えたら、と思うのは下品かしら。

3幕モノのこの作品のハイライトはやはり第2幕のパーティー・シーンだろう。バレエ団の綺麗どころも出て来てとても華やかで良い。やはり座付きのバレエ団があるのは素晴らしい。

ところで第2幕から出て来る重要人物(パーティーのホスト役のオルロフスキー伯爵)がメゾソプラノの女性によって演じられていることに初めて気付いた。前回2010年のキャストを見返したらやっぱりそうだった。前回第2幕まではしっかり観たつもりだったけど、怪しいな。「ばらの騎士」や「フィガロの結婚」でも男役に女性歌手が充てられることはあるが(いわゆる「ズボン役」ずいぶんな言い方)、あちらは若い男であったり劇中で女装する羽目になったりするので「そういうことか」と腑に落ちるが、こちらは終始壮年の男性役なのでなぜにメゾソプラノの役なのか不思議だ。

その後の第3幕は場面が刑務所長の部屋と、セットは急に地味になり台詞の多い幕なので、素人的には余り面白くないのだが、実際には会場の受け・笑いは最も大きい。この幕の人気者は酔いどれ看守のフロシュ。ほとんど歌は歌わないが、「メリーウィドウ」にもいた「捨て台詞の森繁」みたいなコメディリリーフの役だ。いちばん笑いを取っている。2010年に観た時から今回のキャストはほとんど変わっているが、このフロシュ役の俳優は変わっていない。フォルクスオパーでもはまり役として認知されているんでしょうね。

やはり今回も楽しかった。再び言うけれど、ウィーンに来たら一夜はフォルクスオパーのオペレッタを観たいと思う。

Wiener Volksoper
Tuesday, 03 . May 2022 19:00 - 22:15

Die Fledermaus
Operetta by Johann Strauß

Dirigent: Guido Mancusi
Szenische Neueinstudierung: Heinz Zednik
Bühnenbild: Pantelis Dessyllas
Kostüme: Doris Engl
nach Originalentwürfen von: Evelyn Frank
Choreographie: Lili Clemente
Choreographie: Susanne Kirnbauer

Gabriel von Eisenstein: Daniel Schmutzhard
Rosalinde: Kristiane Kaiser
Adele: Juliette Khalil
Ida: Mila Schmidt
Dr. Falke: Günter Haumer
Prinz Orlofsky: Annely Peebo
Alfred: Mehrzad Montazeri
Iwan: Mamuka Nikolaishvili
Frank: Marco Di Sapia
Frosch: Gerhard Ernst
Dr. Blind: Gernot Kranner

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