2022 春:客の入り具合

ウィーン・フィル博覧強記の知人から「このご時世でそちらのお客さんの入り具合はどうですか?」という質問があった。そう言われるまで余り気にしていなかったが、やはりコロナ禍前とは少し違うのかも知れない。私が比較できるのは前回2017年のGWだが、あの時はどの公演も満席だったと思う。

まず結果からいうと、今回Musikvereinの2公演(ウィーン・ジュネスオケとティーレマン/ウィーン・フィル)はおそらく満席。Staatsoperの2公演(「トリスタンとイゾルデ」と「ラインの黄金」)とVolksoperの1公演(「こうもり」)も8割は行っていたと思う。4月の半ばにマスクなどの制限が解除されたばかりで(但し公共交通機関などを除く)、海外からの観光客もまだ戻っていない状況では健闘していた、というべきかも知れない。但し、今回私が観た公演も皆人気の演目だと思うが、私がこれらのチケットを購入したのは2月10日前後。どれもネットで自由に選べたが、コロナ禍前はそんな時期に欲しい席を入手するのはおそらく無理だったろう。

今日(5月7日)の時点で、Staatsoperのサイトで来週(5月9日)の公演の残席状況を見てみると、「フィガロの結婚」で400席くらい、「ボリス・ゴドゥノフ」はロシア事情もあってか700席くらい、バレエでも同じく700席くらい、それぞれ残っている。そんな訳で、今の時期はまだ地元の皆さんが中心だと思うが、お年寄りの姿が以前より目立っていたように思う。観光客の少なくなった分を応援しようということかも知れないし、あるいは目障りな観光客が減ったから出て来易くなったのかも、というのは穿ち過ぎか。


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◇「ラインの黄金」の客の入り具合