「ウィーン少年合唱団」演奏会(ムジークフェライン/ブラームス・ザール)

初めて聴くブラームス・ザールのコンサートということで結構楽しみにしていた。それに「ウィーン少年合唱団」のコンサートも興味があった。

でも実態は、いわゆる観光客用のイベントでしたね。興業元が Mondial という旅行会社と知ればさもありなん。シーズン中は毎週金曜日に行われているらしい。プログラムは、前半が少年合唱団だけの曲(アカペラ又はピアノ伴奏のみ)。後半は室内合奏団付き。曲は彼等の本来のレパートリーである宗教曲もあるけれど、半分以上は「アメージング・グレース」とか「Over the Rainbow」とか、ウィンナ・ワルツも何曲か。「We are the world」なんていうのもあって、 We are the children と歌われると「それはわかってますけど」と突っ込みたくなる感じ。

ここのところは、単純に「何だ観光客用のイベントじゃないか?」というつもりじゃなくて、問題は少年達が明らかに集中力を欠いて歌っているから。大人であればプロフェッショナルに出来るところも、そこはさすがのウィーン少年合唱団も、少年らしく態度に出てしまっている気がする。もっとも聞く方も、赤ん坊が泣き出したり、曲の途中で席を変える拍子に椅子の跳ね上がる音がパタパタしている様では、同情の余地は大きいけれど。結果として、ウィーン少年合唱団はまず王室礼拝堂のミサを聴きに行きましょう、というのが僕の感想。

それに残念なのはホール(ブラームス・ザール)それ自体。写真で見ると側面のベンガラ色の列柱や緑色のパネルが、実は全てペイント(塗り)なのだ。おそらく下地はコンクリートモルタル。床は木製だし、天井は大ホールに同じく木の下地に彩色したものと思いたいが。装飾性は大ホールに負けないくらい豪華だが、響き具合は大分違うように思う。この点は、もう一度別の演奏会を聴いて確かめたいところだけれど。

終演後、建物の周りを歩いていたら、楽屋口から移動のバスに乗り込もうとする少年たちに出くわした。例のセーラー服の制服に、演奏会の時には着けていなかった帽子(セーラー服に合わせてツバなしの水平帽)を被っていた。これは帽子無しの時より一段とかわいい。演奏会も帽子を着けてやればいいのに。

Friday 24 September 2010
Musikverein - Brahms Saal
Wiener Sängerknaben
Chorkonzert
Organizer: Reisebüro Mondial



ブラームス・ザールは、正面向かって左手の2階部分