2022 春:ワーグナー「ラインの黄金」(Wiener Staatsoper)

今回の旅の最後は「ラインの黄金(ワーグナー)」。
2017年のGWに来た時も「指輪」のチクルスの最中で、「ラインの黄金」と「ワルキューレ」を観ている。今シーズンもこの日が皮切りでチクルスが始まる。

「トリスタンとイゾルデ」の新演出には辟易(というより憤慨)したが、今回は心配していなかった。演出のスヴェン-エリック・ベクトルフは私にはなじみの演出家で、2014年(ザルツブルク)に「ドン・ジョバンニ」、2015年(ザルツブルク)に「フィガロの結婚」、2017年にはウィーンで「ラインの黄金」「ワルキューレ」を観ていて、どれも面白かった。時代設定は変えていたり、抽象化しているが、過剰な演出はなく、歌と演奏に集中させてくれる。若干の変更はされていると思うが、今回の衣装と装置の基調は前回と同じだろう。見覚えがある。

とはいえ、今回の「ラインの黄金」は若干物足りなくも思った。この前の「トリスタンとイゾルデ」は演出こそ到底受け入れ難かったが、主演2人の迫力には圧倒された。今回のヴォータン役のJohn Lundgrenはスウェーデン人だがバイロイトやロイヤルオペラハウスでもワーグナー作品の常連、指揮のAxel Koberはライン・ドイツオペラ(デュッセルドルフ)の音楽監督という実力者だし、作品の違いもあるので、私の思い過ごしかも知れないが、カーテンコールも早めに切りあがった様に思う。

この作品の上演時間は2時間余りでワーグナーのオペラとしては短い方だと思うけれど、休憩がない。前回は気にならなかったが、近ごろ長く座っていると坐骨神経痛が出て右脚の腿裏が痛くなってくるのだが、それが出てしまった。情けない話。直さないと... 一度は「指輪」全4話を通しで見てみたいと思うのでね。

Wiener Staatsoper
Wednesday 4 May 2022, 19:00-21:30

DAS RHEINGOLD
Ricard Wagner

Conductor: Axel Kober
Director: Sven-Eric Bechtolf
Stage Design: Rolf Glittenberg
Costume Design: Marianne Glittenberg
Video: Friedrich Zorn

Wotan: John Lundgren
Loge: Daniel Behle
Fricka: Monika Bohinec
Freia: Regine Hangler
Erda: Noa Beinart
Alberich: Jochen Schmeckenbecher
Mime: Jörg Schneider
Fasolt: Artyom Wasnetsov
Fafner: Dmitry Belosselskiy
Donner: Erik Van Heyningen
Froh: Daniel Jenz
Woglinde: Joanna Kędzior
Wellgunde: Patricia Nolz
Flosshilde: Stephanie Maitland

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