ハノイ空港にて

金曜日の地震は出張先のハノイで知った。
夕方までの会議を終えてホテルの部屋に戻り、CNNにチャネルを合わせたら、いきなり信じられない光景が次々と目に飛び込んで来た。不謹慎な言い方なのだろうが、10年前の911多発テロの時の貿易センタービルに突っ込む旅客機をTVで見ていた時の様に、妙に現実感が無い。でもなかなか繋がらない電話の末に辿り着いた家族や同僚の話を聞くにつけ、東京でさえ大変な揺れにみまわれたことを知る。
結局、金曜日の深夜に搭乗する筈だったフライトはキャンセルされ、今日(土曜日)は一日中ホテルの部屋でPCにかじり付き、途切れ途切れのストリーミングで日本のTVを観ていた。
異国の空の下で、自分の国を襲った大きな不幸を傍観するのは酷くもどかしい。思えば'95年にサリン事件や阪神淡路大震災の起った時にもアメリカに住んでいた。あの時に感じた得も言れぬ感覚が甦って来る。
夜になり1日遅れの便が取れて、今はハノイ空港で塔乗を待っている。とにかく早く日本に帰り着きたい。