Mel Torme

The Christmas Song の作詞者メル・トーメ(Mel Torme)は、ジャズ歌手だった。

村上春樹が The Portrait in Jazz にメル・トーメの事を書いていたのは覚えていたんだけれど、本が手元に無かったので(何しろまだ単身赴任寮の仮住居に居るので、本も家財もトランクルームの中)何と書いてあったかまでは良く覚えていなかった。「良いクラブ歌手」と言ってたかな?

それで昨日、会社の帰りに本屋に立寄ってその本を見つけて、読んでみた。正確には The Portrait in Jazz 2 の方にあった。
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都会の片隅にある小粋でこぢんまりしたナイトクラブ、毛皮のコート、シャンパンとカクテル、それがメル・トーメの生きた世界だった。シナトラ的な、ラスヴェガスの大ホールのサウンドは彼の求めるところではなかった。そういうところが粋人の粋人たるゆえんなんだろうけど、ちょっと惜しいという気がしないではない。

こんな引用を正確に覚えられる訳も無く、この本を買ってしまったのでした。僕の持っていたのは文庫本。昨日見つけたのはハードカバー版。大きい紙幅なので絵の迫力がまるで違うんですよね。

昔し、十代の終わりの頃から和田誠の文・絵で映画を紹介した「お楽しみはこれからだ」のシリーズを夢中で読んでいた。あの本に導かれていろいろな映画を観ましたね。あのシリーズの挿絵は色のついていないイラストだったけど、単純な線を使って良くあんなにいろいろなニュアンスが出せるものだと感心した。個性的と言えば、あれだけ個性的な画風も無い。

The Portrait --- の絵は色付き。これも紛う事無き、和田誠の画風ですけどね。

という訳で、今日は朝からメル・トーメのクリスマスアルバム(彼のはそれしか持ってないので)を聴きながら「絵本」を眺めてます。