音楽

2022 春:客の入り具合

ウィーン・フィル博覧強記の知人から「このご時世でそちらのお客さんの入り具合はどうですか?」という質問があった。そう言われるまで余り気にしていなかったが、やはりコロナ禍前とは少し違うのかも知れない。私が比較できるのは前回2017年のGWだが、あの…

2022 春:ワーグナー「ラインの黄金」(Wiener Staatsoper)

今回の旅の最後は「ラインの黄金(ワーグナー)」。2017年のGWに来た時も「指輪」のチクルスの最中で、「ラインの黄金」と「ワルキューレ」を観ている。今シーズンもこの日が皮切りでチクルスが始まる。 「トリスタンとイゾルデ」の新演出には辟易(というよ…

2022 春:ヨハン・シュトラウス「こうもり」(Wiener Volksoper)

実は、フォルクスオパーでの「こうもり」は2回目。前回は2010年9月。この時は、時差ボケに負けて第3幕で寝落ちてしてしまって、勿体無いことをした。今回は大丈夫。 主演級の3人はオーストリア生まれ。特にソプラノの2人はウィーン生まれなので、それだけで…

2022 春:来シーズンのプログラムブック

この旅の最初のところに「キャンセルする踏ん切りも決行する覚悟もあやふやなままに出て来た」と書いたけれど、それを裏書きするように周りの人間には、ほぼ誰にもこの旅行のことは何も言わなかった。唯一の例外はウィーン・フィルについては博覧強記の知人…

2022 春:ウィーン・ジュネスオーケストラ演奏会(Musikverein)

今回のウィーン旅行の幕開けは、ウィーン・ジュネスオーケストラの演奏会。 こちらでチケットをピックアップした時に「あれ?」と思ったのだが、席が平土間の前から4列目の一番右という場所。何と購入控えに席番号が無いのでネゴを諦めたけれど、自分から好…

2022 春:国立劇場連盟ボックスオフィスとアルカディア

ウィーンに着いた翌朝は、ネットで購入したオペラや演奏会のチケットをピックアップするのが私のルーティン。今回はシュターツオパーの演目がふたつ、フォルクスオパーがひとつ、ムジークフェラインの演目がふたつ(ウィーン・ジュネスオーケストラとウィー…

「バレエ・リュス その魅力のすべて」(芳賀直子 著 国書刊行会)

ロンドンで展覧会を見た興奮が冷めやらず、週末にロシアバレエ団関係の本を丸善で探した。気になっていたのは2冊。1冊は、女性ダンサーで最も人気があって、ディアギレフのお気に入りでもあったというタマラ・カルサーヴィナの伝記「劇場通り」。この「劇…

オペラ「トスカ」(フォルクスオパー)

ドイツ語の「トスカ」を初めて聴いた。勿論、この公演がドイツ語上演というのは全く知らずにいたのだが。1幕目の始めの方で、どうも ich とか auch とか聴こえてくるし、アリアも覚えているのと言葉の響きが違う。Volksoper(民衆の歌劇場)とはこういうこ…

夕刊(日経)を読んでいたら

サリンジャーの手紙と村上春樹のオペラの話が載っていた。う〜ん、サリンジャーが死んだ事も、村上春樹のオペラが作られた事もついぞ知らずにいた。昔だったら、大騒ぎしていただろうにね。オペラの方はもう大阪公演の分しか残っていないそうだ。多分、そこ…

大貫妙子 「ピュアアコースティック 2009」

北京から帰って来て、楽しみにしていた録画を観る。2009年11月1日にJCBホールで行われた大貫妙子のコンサートを収録したもの。私の歌姫−大貫妙子が1987年から毎年続けている「ピュアアコースティック・コンサート」が、2009年で最後を迎えたという。迂闊なこ…

荒井由実、そして林美雄のこと。

今日も北京は晴れ。同じ寒いのでも、ヨーロッパの冬の様に暗くないのは救い。とはいえ、昼過ぎに出掛けようかとホテルを出たけれど、風が強くて早々にUターン。情無い話ですけど。さて、今日は北京とは全く関係無い話。このブログを北京で再開する前に、本当…

オペラ #5 「トスカ」(シュターツオパー)

Tosca Opera in three acts Music by Giacomo Puccini Libretto by Luigi Illica and Giuseppe Giacosa, based on Victorien Sardou's drama, La Tosca Wien Staatsoper Conductor: Pier Giorgio Morandi Director: Margarethe Wallmann Scenography and Cos…

演奏会 #3 アーノンクール指揮/ウィーンフィル「ハイドン/交響曲第93&103番、チェロ協奏曲第1番」(ウィーン・コンツェルトハウス)

今日(5/9)は、コンツェルトハウスの演奏会とシュターツオパーの「トスカ」のウィーンフィル準ダブルヘッダー。■ウィーン・コンツェルトハウス このコンサートホールは映像では何回もお目に掛かっているものの、実際に訪れたのは初めて。ムジークフェライン…

オペレッタ 「メリーウィドウ」(フォルクスオパー)

シュターツオパーが取れない穴埋め、という事で取ったフォルクスオパーの「メリーウィドウ」だったが、正直「ごめんなさい」という気持ち。いやぁ、面白かった。久し振りに「泣いて、笑って」という観劇。筋立ては3幕もの。休憩は一幕と二幕の間だけで、二幕…

演奏会 #2 プレートル指揮/ウィーン交響楽団(ムジークフェライン)

Thursday, 7 May 2009 19:30 - Grosser Saal, Musikverein Wiener Symphoniker The ladies of der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien Georges Pretre, conductor Ludwig van Beethoven: Symphony No. 7 in A - major, op 92 Claude Debussy: Three Noct…

オペラ#4 「トゥーランドット」 (ハンガリー国立歌劇場)

前の晩の「椿姫」は、3階の舞台に向かって左手中央よりのボックス席だったが、今日はほぼ対象にある右手中央よりのボックス席最前列。但し1階なので舞台がかなり近い。 ◆本日の席とそこからの眺め ◆幕間に浮び上がる中華マーク チョッと笑ってしまうのは日…

オペラ #3 「椿姫」(ハンガリー国立歌劇場)

ブダペストに到着。この街に来たのは実は2回目。前回は20年位前。その時はオペラは観られずにリスト音楽院のホールで演奏会を聴いた。あのホールも素敵だったけど。ウィーンからの列車は丁度3時間で昼頃にブダペストに着いた。午後は早速オペラハウスを下見…

演奏会 #1 バレンボイム指揮/シュターツカペレ・ベルリン「マーラー/交響曲第9番」(ムジークフェライン)

Sunday, 3 May 2009 11:00 - Großer Saal, Musikverein Staatskapelle Berlin Daniel Barenboim, Conductor Gustav Mahler: Symphony No. 9 D-Major 今日はムジークフェラインでシュターツカペレ・ベルリンの演奏会。バレンボイムの指揮でマーラーの交響曲第…

オペラ #2 「ポンテの王ミトリダーテ」(テアター・アン・デア・ウィーン)

■Theater an der Wien 今回の旅行では、二つのオペラハウスとひとつのコンサートホールに初めて行く計画だ。ウィーンのテアター・アン・デア・ウィーンとコンツェルトハウス、ブダペストのオペラハウス。そのうちの最初がテアター・アン・デア・ウィーン。こ…

オペラ #1 「フィデリオ」 ウィーン国立歌劇場

Fidelio Wiener Staatsoper 1 May, 2009Conductor: Adam Fischer Director: Otto Schenk Set Designs: Gunther Schneider-Siemssen Costume: Leo BeiFlorestan: Peter Seiffert Leonore (Fidelio): Petra Maria Schnitzer Don Pizarro: John Wegner さて今回…

Tony Bennett: Music never ends

夕べは夜の11時から短い電話会議が有って、その後にまた短いメールを書いたら、もう12時を回っていた。大した仕事じゃないから、と多寡を括っていたが、やはり直ぐには寝付けない。気まぐれにテレビのチャネルをいじっていたら、BSでトニー・ベネットのドキ…

ロストロポーヴィチの指

ロストロポーヴィチの独奏で、ドボルジャークのチェロ協奏曲のDVDを観た。オケはジュリーニ指揮によるロンドンフィル。 1977年の録画だ。 ロストロポーヴィチのドボルジャークの協奏曲はこれを含めて4枚持っていることになる。ターリヒ/チェコフィル、カラヤ…

北カリフォルニアに雨が降る

今週もカリフォルニアに来た。夕べは朝方まで雨が降っていた。意外に思われるかも知れないが、冬のカリフォルニアは結構雨が降る。4月から10月くらいは殆ど雨が降らず晴天続きだが、冬の間は断続的にかなりの量の雨が降る。始終枯れ草に覆われている様に見…

Mel Torme

The Christmas Song の作詞者メル・トーメ(Mel Torme)は、ジャズ歌手だった。村上春樹が The Portrait in Jazz にメル・トーメの事を書いていたのは覚えていたんだけれど、本が手元に無かったので(何しろまだ単身赴任寮の仮住居に居るので、本も家財もト…

The Christmas Song

好きなクリスマスソングの話。洋の東西を問わず、ポピュラー歌手は少し有名になるとこぞってクリスマスソングを作るので、新しいところを追ってゆくときりがない。だから、スタンダードなところで The Christmas Song それが歌の名前です。 a じゃなくて、th…

私の歌姫

もう来週は引越し。そして週末には日本に向けて発ちます。 ということで、何かと身辺あわただしい。家具の粗方はご近所のヴァイオリン弾き(かつてはヴィオラ弾き)に纏めて引き取って貰えることになったので、ひと安心なのですが、その他の細々とした雑事が…

映画「ニジンスキー」、そして「ディアギレフ」という本

最近「春の祭典」についてのサイトに出会って、ふと思い出して映画「ニジンスキー」のビデオを手に入れた。僕がこの映画を最初に見たのは1982年の秋。場所は新宿歌舞伎町の「シネマスクエアとうきゅう」 思えば、今流行りのミニシアターのはしりですね。(今…

ロストロポーヴィッチのこと

「ロストロポーヴィッチが死んだ」と、まじっくばすーん氏のブログが教えてくれた。 NYタイムスは著名人の訃報に際して、故人の経歴を詳細に紹介する記事を書く。今回もウェブで3ページを割いてロストロポーヴィッチの訃報を伝えている。それに依ると、1月末…

久し振りにファゴットの曲を聴く

まじっくばすーん氏の昔語りにつられて、久し振りにファゴットの曲を聴いた。トゥーネマン/イ・ムジチのヴィヴァルディのコンチェルト集2枚(12曲)。そして同じくトゥーネマンをソロに迎えたドヴィエンヌのカルテットとデュエット。 恥ずかしながら、ファゴ…

カルロス・クライバー「カナリア諸島にて」

まじっくばすーん氏が、カルロス・クライバー(指)/ウィーン・フィル演奏のベートーヴェンの交響曲5、7番の事を書いている。 このコンビでは、やはり ブラームスの4番も忘れ難い。「ウィーン・フィルらしくない」とか、「クサい」とさえ腐す人もいたけれ…