梅雨寒

今日は朝からずっと15℃くらいで、涼しいと言うより寒かった。もう梅雨に入っているから「梅雨寒」と言っていいのだろう。

梅雨寒をモチーフにした池波正太郎の短編小説があった。後に、あの藤枝梅安とコンビを組む彦次郎が主人公となる「梅雨の湯豆腐」。確かこの作品で彦次郎は命を落とした筈だが、後から始まった「仕掛人 藤枝梅安」のシリーズに登場して、結局このシリーズは作者が逝って梅安も彦次郎も死なずに終わってしまった訳だ。とすると、無理矢理辻褄を合わせようと思えば、「湯豆腐」は「藤枝梅安」の後日譚となるのか? まぁそんな事はどうでも良いが。

池波正太郎は浅草聖天町に生まれた人だが、戦後所帯を持ってからは品川荏原に家を構えたという。荏原2丁目というから、東急池上線の戸越銀座と東急目黒線の武蔵小山に挟まれた辺りらしい。僕もまた両線に挟まれて、荏原からもさほど遠くない洗足池の近くに住んでいる。

20歳の頃から池波正太郎は好きで読んでいたけれど、今の場所に住もうと決めた時には、池波さんが荏原に住んでいたという事は意識していなかった。単純に勤め先(大森)に近いという理由だった。そもそもが埼玉の田舎に30歳まで住んで、その頃は会社も御茶ノ水にあったから、大学時代を含めても23区の土地勘は北半分が精々というところ。山手線の外、しかもいわゆる城南地区なんて皆目判らなかった。それがねぇ、今は...

そうそう梅雨寒の話。梅雨に入る前、5月も結構寒暖の差が激しかったから体調を崩している人も多いらしい。僕も昔はそういう温度ショックに弱かったらしくて、よく熱を出してた。最近は感覚が鈍くなってきたのか、そういう事もあまり無くなって来たけど、気をつけないとね。