成田に着く

今朝、成田に着いた。
ゲートからコンコースは何も無い様に見えたが、入国審査を過ぎてバッゲージ・クレームのエリアに下りると天井から水漏れがあった跡など所々に爪跡がある。

帰りの成田エクスプレスの中では買い込んだいくつかの新聞を貪り読む。瓦礫の中に立ちすくむ人たちの写真など、胸塞がれる。

帰りの飛行機の中では、深夜のフライトにも拘らずなかなか寝付けずにクリント・イーストウッド監督作の「ヒア・アフター」を観た。主な舞台となる三つの都市(ロンドン、パリ、そしてイーストウッドにとって特別な街サンフランシスコ)のうち、二つがヨーロッパというせいもあるのだろうか、ヨーロッパ映画の様なタッチで淡々と綴られる様子がなかなか味わい深い。
ただ主人公のひとり(フランス人の女性ジャーナリスト)が臨死体験に遇う津波のシーンには酷く違和感を覚えた。津波に呑み込まれて水の中に漂うシーンは余りにも幻想的過ぎる。僕たちが昨日から見ている津波は貪欲に全てを呑み込んで、黒々と、圧倒的に邪悪なモノだ。そこにはファンタジーが入り込む余地など有り様が無い。