オペラ #1 「フィデリオ」 ウィーン国立歌劇場

Fidelio
Wiener Staatsoper
1 May, 2009

Conductor: Adam Fischer
Director: Otto Schenk
Set Designs: Gunther Schneider-Siemssen
Costume: Leo Bei

Florestan: Peter Seiffert
Leonore (Fidelio): Petra Maria Schnitzer
Don Pizarro: John Wegner

さて今回の旅行で最初のオペラ。

今日はメーデーの休日だったので、午後4時開演。実は自分で作っていた日程表には、平日のつもりで「19時開演」と記入していてすっかりそのつもりでいたが、チケットを手に入れて確かめて改めて気付いた。いやぁ、危うい危うい。

今回の席は、舞台に向かって右手中央寄り、3階バルコニーの最前列。お陰で舞台もオケピットも良く見える。

フィデリオ」を観るのは初めて。音楽も「レオノーレ」第3番序曲くらいしか知らない。その「レオノーレ」の3番も演奏されない演出も多いというが、ここシュターツオパーは第二幕の第一場と第二場の間に演奏するのが伝統になっているそうだ。

はる様、今回の指揮はアダム・フィッシャーです。ご存知かも知れませんが、ハンガリー人の指揮者で、ハンガリー国立歌劇場の音楽監督とハンガリー放送交響楽団の主席指揮者を務める実力派。

最初、序曲(「フィデリオ」序曲)の冒頭で木管の弱音部がちょっとワサワサして「あれっ?」と思ったが、勿論すぐに落ち着く。

第一幕の第一場は導入部のせいかちょっと緩めの展開で、夫が幽閉されている牢獄の看守見習いに潜り込んだ(男に扮した)フィデリオ(レオノーレ)を含む「良い人たち」4人の四重唱なんてあったが、同じ様な趣向はモーツァルトの方が余程面白いと思う。ところが第二場で悪役が登場して緊迫感が増して来ると、俄然調子が出て来る。

後半の第二幕は牢に繋がれているレオノーレの夫フロレスタンの独唱に始まって、レオノーレが身を呈して夫を守り、やがて開放されるという筋書き。この幕では囚人たちの合唱も加わったりして、やっぱりベートーヴェンの音楽だなぁと思うが、個人的には圧巻はやはり「レオノーレ」第3番序曲だった。

第二幕の第一場と二場の幕間、幕が降ろされたままで演奏される。オケピットが良く見える席なのが、有難かった。管楽器はアシスタントも無く本来の二管編成ながら、チェロとコントラバスがそれぞれ8本並んだ低音の厚い弦楽器群が鳴らしまくる。そういう音楽が舞台の上からではなく、ピットの中から湧き上がって来る迫力はちょっと鳥肌モノ。僕たちには演奏会ピースでお馴染みなだけに、むしろ意外な感じさえして面白い。幕間の音楽ながら、演奏が終わるとオケ全員が立ち上がって挨拶した。

終演後は、指揮者も舞台に上がって拍手に応える。ピットのオケにも挨拶を促したのは良いけれど、2回目にはもうオケピットには誰も残っていないというのはご愛嬌。 カーテンコールはその後、何回も続いた。
◆ピットにオケが揃う:チェロ、コントラバスがそれぞれ8本

◆木管セクションの面々

◆カーテンコール:オケはすぐに居なくなった