ウィーン・カフェ巡り

カフェ巡りウィーン編はこれにて締め括り。どれも有名どころばかりで今更「穴場紹介」もないけれど、やはり良いところは良い。何が良いかというと、居心地がね。

■カフェ・モーツァルト (Cafe Mozart)
いわずと知れたシュターツオパー(国立歌劇場)裏の老舗。場所はザッハホテルのある建物の1階。ザッハホテルのカフェと直交した面がカフェ・モーツァルト。でも系列的には、カフェ・ラントマンや王宮のところに新しく出来たカフェ・ホフブルクと同じ系列らしい。(何を言いたいかというと、ケーキはみな同じところで作っているらしい。)

営業時間は朝8時から夜12時までだし、ロケーションは便利だし(シュターツオパーの裏、ケルントナー通りからも至近)、ブロードバンドもタダで繋がる。(今回知った) 今回は夕食で2度、朝食で1度利用した。夕食はオーストリア名物のターフェル・シュピッツと、ウィーン最後の夜にまたホワイトアスパラガスを頂いた。

「ターフェル・シュピッツ」は初めて食べたが、これを美味しいとは思えない。殆ど味付けらしい味付けも無く(おそらく薄い塩味はついている)、脂身の殆ど無い肉(ステーキ状)と野菜を茹でたもの。ダイエット食だと言われれば納得出来る。ハプスブルク家最後の皇帝(実質。正確には最後から2番目)、長身痩躯のフランツヨーゼフの好物だと聞けばこれも納得出来る。

ホワイトアスパラガスの方は再び満足。今度はソースも無く、ハムの塩味で食べろ、という一皿。ちゃんと食べられます。美味しかった。

朝食の時には、PCも持ち込んで2時間位やった。快適に動く。勿論、何も邪魔されない。

Cafe Mozart
Albertinaplatz 2
A-1010 Vienna
Tel.: ++43/1/24 100 - 200
http://www.cafe-wien.at/85_ENG_HTML.htm

 
◆チョッといただけなかった「ターフェル・シュピッツ」  ウィーン最後は「ホワイトアスパラ」
  


■カフェ・デーメル (Cafe Demel)
有名な「王室御用達」の老舗菓子屋のカフェ。いわゆる「カフェ・コンディトライ(菓子舗併設のカフェ)」。場所も王宮のすぐそば、コールマルクトにある。ウィーンに来ると必ずここの「アップフェル・シュトゥルーデル」を食べに来る。最近はアメリカのアップルパイの影響か、シナモンを入れてみたりレーズンが入っていたりするのが多い中で、ここのはもっと素朴で繊細な味。

けれどここにも観光化の波は確実に押し寄せていて、店内のレイアウトが大分変わっていた。いつも使っていた入口右側のカフェルームは全部土産物売場に衣替え。変わって2階にカフェ・ルームを広く取った様だ。という訳で2階に案内される。途中の階段からはガラス張りのキッチンが覗ける。

帰りに土産物売場に行って「スミレの花の砂糖漬けキャンディー」というのを買った。かのエリザベート王妃の好物だったそうな。色は濃いスミレ色。砂糖でガチガチにコーティングされているが確かに中にはスミレの花びらが入っている様だ。それにしても、金平糖よりまだ硬い。かと言ってずっとなめていたら、きっと歯まで紫色に染まるに違いない。噛むと得も言われぬ香りがする。

Ku.K (Imperial and Royal) Court Confectionary Bakery
Ch. Demel’s Sons Ltd.
Kohlmarkt 14
A-1010 Vienna
Tel: +43/1/535 17 17 -0
http://www.demel.at/en/frames/index_demel.htm

 
 


■カフェ・グリーンシュタイドル (Cafe Greinsteidl)
コールマルクトを抜けた王宮前のミヒャエル広場に面したところにある。オリジナルは1847年の開業で、シュニッツラーやシェーンベルクも通ったという。1897年に店を閉じて、1990年に再び同じところに店を開いたそうだ。有名なカフェだが、意外にも今回初めて入った。

おそらくオリジナルの雰囲気を残してあるのだろう。クラシックでとても良い雰囲気。壁際のボックス席が居心地良い。僕の座った席はどう見てもひとり用だったが、ゆっくり朝食を摂って席を立ったら早速ウェートレスが「11時からXXX様」と書かれたプレートを置いていった。その人の定席なのだろうか。雰囲気の良いカフェに、毎日同じ時間に自分の席が待っている。ちょっと憧れる。

Cafe-Restaurant Griensteidl
Michaelerplatz 2, 1010 Wien
Tel. 01-535 26 92-0
http://www.cafegriensteidl.at/

 
◆居心地良かった壁際のボックス席


■カフェ・ツェントラル (Cafe Central)
大理石の柱が並んだ天井の高い店内は独特の開放感がある。かつての宮殿だった建物の一角を使ってあるそうだ。

入口左手が殆ど禁煙席。ウェブサイトを読んだら、今年1月から法律が出来て、歴史的建造物の中は全面禁煙にする事になってこのカフェの入っている建物もその対象となっているとのこと。まだ経過措置で一部喫煙席も残っているが、来年半ばからは全面禁煙になるそうだ。僕はタバコは吸わないが(厳密に言うと葉巻は時々吸う)、ウィーンのカフェでタバコが吸えなくなるというのも時代か。時代と言えば、ここもワイアレス・ブロードバンド接続が無料のホットスポット。と言う訳で、居心地の良いソファ席でしばしPCで仕事をした。

Café Central
Ecke Herrengasse/Strauchgasse
1010-Wien
Tel: (+43.1) 533 37 64 - 26
http://www.palaisevents.at/index.php?id=cafecentral&L=

  


カフェ・ラントマン (Cafe Landtmann) 再び、
アスパラガスを食べた後に、もう一度夕食に行った。その時のBGMの生のピアノがなかなか秀逸。最初はエルトン・ジョンの「ダニエル」、その次は「カルメン」、そして多分ピアソラのタンゴ、ジャズっぽい曲を弾いたかと思うとショパンに変わる。どれもなかなかに見事。帰り際、思わずチップを置きに行った。食事中は背中向きだったので気付かなかったが、ピアニストはセーター姿のラフな格好だった。ウェブサイトをみたら、演奏時間は「日〜火の午前8時〜11時」になっている。とすれば、あれは練習? いずれにしても良い聞き物だった。
◆この夜は「ウィンナ・シュニッツェル」   見事なピアノマン