カルロス・クライバー「カナリア諸島にて」

まじっくばすーん氏が、カルロス・クライバー(指)/ウィーン・フィル演奏のベートーヴェンの交響曲5、7番の事を書いている。 このコンビでは、やはり ブラームスの4番も忘れ難い。「ウィーン・フィルらしくない」とか、「クサい」とさえ腐す人もいたけれど、やはり心かき乱される感じは今聴いてもたまらな い。そして、ファゴット吹きにとって忘れられない1枚は、バイエルン国立歌劇場管とのベートーヴェンの4番。「スリリングな演奏」の例証として、「第4楽 章 でバスーンがコケそうになる」といつも持ち出される。世にカルロス・クライバーの伝説が語り継がれる限り、このファゴットの話もついて回るんだろうね。本 当にこのファゴット吹きに同情を禁じ得ませんね。

そう言えば、久々にクライバーの名前を聞いて、以前作詞家の松本隆が自分のホームページに「カナリア諸島カルロス・クライバーを観に行った」というよう な記事を書いていたので、どんな風だったかを調べようとしたけれど、もう載っていない。勘違いかな、と思ったら、ラジオ番組で葉加瀬太郎を相手にしゃべっ ていたのが採録されていた。1999年の事だったらしい。更に調べたらプ ログラムも判った。カナリア諸島で開かれた音楽祭に、バイエルンのラジオシンフォ ニーを振って出たらしい。曲目は、ベートーヴェンの4番7番と、「こうもり」の序曲。十八番ですね。好事家のCDも出ているらしいけど(海賊版だね)、 ネットを見る限りでは手に入れる術は見当たらない。2004年に死んだクライバーは、1999年1〜2月にかけてバイエルン放送響との共演が、公けで演奏 したものの最後だそうだから、このカナリア諸島での演奏は最晩年のものということになる。出来れば聴きたいけれど。