久し振りにファゴットの曲を聴く

まじっくばすーん氏の昔語りにつられて、久し振りにファゴットの曲を聴いた。トゥーネマン/イ・ムジチのヴィヴァルディのコンチェルト集2枚(12曲)。そして同じくトゥーネマンをソロに迎えたドヴィエンヌのカルテットとデュエット。 恥ずかしながら、ファゴットがソロの曲を聴くのは本当に久し振り。ファゴット絡みのCD、さすがに普通の人よりはたくさん持っていると思いますけどね。
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ところで、トゥーネマン。記憶の中では、とても派手な音色だった印象があったけれど、思いの外柔らかな音色だった。でも、全くよどみのないテクニックは記憶通り。その所為で、派手な印象を持っていたのかも知れない。 

ヴィヴァルディはファゴットのコンチェルトを一杯書いていたよなぁ、とCDのライナーノーツを読んでいたら、39曲でしたね。(うち2曲は未完) バイオリン・コンチェルトが200曲以上あって、その次に多いらしい。バイオリン・コンチェルトについては、バイオリン奏者であるヴィヴァルディ自身がソロを取る事も多かったのだろうけれど、ファゴットはそうじゃないだろうから、余程優れた(そしてお気に入りの)プレーヤーがいたということなんだろうか。詳しく調べもせずに迂闊な事をいってはいけないけれど、時代を問わず、ファゴットをソロにこんなに曲を書いた作曲家っていないんじゃないだろうか。ヴィヴァルディのコンチェルトの殆どは、ヴェネチアの女子修道院(孤児院?)の合奏団の為に書かれたというけれど、どんな風景のアンサンブルだったのだろう?絵でも残っていないものかしら。それに技量も優れていたんでしょうね。もっとも、バロック・ファゴットの方がキーが少なくて、スケールやアルペジオは今のファゴットよりやり易かった、という説も聞いた事がある。

私の持っているのは12曲だから、1/3にも満たないけれど、やはり短調の曲の方が趣きがあるかな。でも、どれを聞いていても、退屈はしない。 「バンジョーは止まらない」と書いたけれど、「ファゴットは止まらない」という感じでしばらく聴いているのも悪くない。まぁ「集中して」という訳にはいかないんだけれど。

そういえば、ヴィヴァルディについては後悔していることがある。ちょうど2年前の春になるけれど、念願叶ってイタリアに旅行した。勿論ヴェネチアにも立ち寄ったけれども、ヴィヴァルディが合奏団を教えていたという修道院に行きそびれてしまった、というよりヴィヴァルディの事を殆ど忘れていた。挙句に、ちょうどイタリア・ツアーの途中だったベルリン・フィル(ラトル指揮)に居合わせて彼の地のフェニーチェ歌劇場でのコンサートに行けたのだけれど、旅の初日、強烈な時差ボケに襲われて半分寝てしまうという大失態。音楽的には散々だった。だから、ヴェネチアにはもう一度出直したい!

ドヴィエンヌは楽しかった。特に、カルテットの作品73-1というのは、モーツァルトのオーボエ・カルテットの兄弟の様な感じがしますね。確か、haru様もファゴット・アンサンブルでやってましたね。もう30年近い昔なんだ、あれも。