演奏会 #3 アーノンクール指揮/ウィーンフィル「ハイドン/交響曲第93&103番、チェロ協奏曲第1番」(ウィーン・コンツェルトハウス)

今日(5/9)は、コンツェルトハウスの演奏会とシュターツオパーの「トスカ」のウィーンフィル準ダブルヘッダー。

■ウィーン・コンツェルトハウス
このコンサートホールは映像では何回もお目に掛かっているものの、実際に訪れたのは初めて。ムジークフェラインなどの様なシューボックス・スタイルとは違い、横幅があるせいか開放感がある。それにやはり大理石の列柱が印象的。コンツェルトハウスの方がムジークフェラインより余程大きいのかと思ったら、収容人数は殆ど変わらないらしい。(1700人弱)ムジークフェラインは立見を入れた数か?

内装はムジークフェラインのきらびやかさが有名だけれど、こちらのホールも随分装飾的。但しスタイルが違う。コンツェルトハウスの方はかなりユーゲントシュティールが入っている感じ。客席はワインレッドが基調でこちらも充分に美しいホールだ。
◆外観と1階ロビー

◆ホールへの階段  向い側にはベートーヴェンの大きな像

◆ホール内部



■演奏会

Winer Philharmoniker, Orchestra
Clemens Hagen, cello
Nikolaus Harnoncourt, conductor
Joseph Haydn
Symphony in D major, Hob I/93 "Bell Symphony" (1791)
Concerto for Cello and Orchestra in C major, Hob VIIb / 1 (1765 approx)
Symphony in E flat major Hob I/103 "The Drumroll" (1795)

このコンサートが今年の「ウィーン芸術週間」の幕開けだという。ムジークフェラインではないし定期演奏会ではないが、ここウィーンでウィーンフィルのコンサートのチケットがネットで定価で買えたのは初めてだ。(因みに68ユーロ)何となくラッキーな気分。(勿論、シュターツオパーの方は公演1ヶ月前からネットで買える。但し、人気演目の売切れ方は相当早い。)

今回の席は2階正面バルコニーの若干右寄り。ステージからは遠いが、音は良いと思う。

演奏が始まって、改めてウィーンフィルの弦の美しさにうっとりする。生のウィーンフィルではロマン派以降の曲を聴く事が多かったので、ハイドンの清澄な響きは凄く新鮮。

最初の93番の交響曲の2楽章だったか、管楽器が順番にディミヌエンドしながら和音を吹いていくところがあって、ファゴットのところでいきなり奏者二人が立ち上がって大きく吹く。「驚愕」ほどではないが、似た様な趣向かな?

チェロの協奏曲のソリストのクレメンス・ハーゲンという人を僕は知らなかったが、後で調べて「ハーゲン・カルテット」のチェリストだと判る。ハーゲン・カルテットなら知っている。

カデンツァのところで静まり返ったかと思うと、いきなりハーモニックス多用の現代音楽になった。プログラムをみたら「ゲオルグ・ハース」というオーストリアの現代作曲家の手になるもの。良い悪いの論評は敢えてしないけれど、カデンツァの部分が終ると殆どブリッジらしいものも無く何事も無かったかの様にハイドンの音楽に戻るのが面白いといえば面白い。

103番の「太鼓連打」はウィーンフィルの演奏を聴くのは始めてだが、ここのティンパニはホルンやオーボエと同様他と違うので、その意味でも聴く価値大。やはりハイドンモーツァルトベートーヴェンの交響曲をもっとこのオーケストラで聴いておきたい、としみじみ思う。

今回改めて思ったが、女性奏者の姿が多くなった。チェロ協奏曲のコンサートマスターは女性だったし、人数が一番多かったのは3曲目の「太鼓連打」。ファースト・バイオリンに4人、ヴィオラに2人、チェロに1人の計7人でなかったか。夜の「トスカ」のオケピットではファゴットにも女性奏者が居た。